第4回 bucca展 - bucca ページ！

　　　第4回 bucca展

　　　　　会期　2015年11月5日(木）～10日(火）

　　　　　場所　ギャラリーNIW（ニウ）　東京都文京区関口11-44　　　　　

出展作品（50音順）　　　< 作品名/素材　　『書名+著者名』　　（作者・職業）　　制作意図・解説 >

COSMOS－世界は見えない力に満ちている－/紙粘土、磁石、鉄球　『磁力と重力の発見+山本義隆』　（有泉仁見/アートセラピスト）　磁力・重力、それは引き合う力、それは見えざる結合力。目には見えないが、確かに存在する不思議な力。身近過ぎて、見過ごしがちなこの力に眼を向けると、たくさんの神秘が見えてくる。

遠い風の中/土、皮　『詩集眠るひとへの哀歌+中井英夫』　（石川勝一/装丁・版画家）　意図なくことばがうまれるように詩が生まれるように　風が呼び込み霧が潤し土が固まるようにこの形は生まれただろうか。

ジョセフ・コーネルへのオマージュ/木、真鍮、ガラス　『JOSEPH CORNELL+高橋睦郎』　（石川勝一/装丁・版画家）　オマージュとしての作品は時として剽窃、改竄、模倣、複製と揶揄されることがある。それを甘受してもJ・コーネルを追ってみたい。ニューヨーククィンズ地区をほとんど生涯出ることなく、ひとり制作し続けた稀有のシュルレアリストが好きだからしょうがない。

botanica/紙、布　『BOTANICA+TOM BARIL』　(大野まみ/イラストレーター）　古本屋で買った本。ロバート・メイプルソープのマスタープリンタだったTOM BARILの写真集。構図、色、形。たたずまい、空気。すべて。大好き。全60枚のフォトグラフをイラストにして並べた、表紙と裏表紙のブックカバーを作成しました。ぜひ、フォトグラフもご覧ください。

atos/紙　『雨天炎天+村上春樹』　(大野まみ/イラストレーター）　ギリシャ国内にある、ギリシャ正教最大の聖地であるアトス自治修道士共和国。アトス山が切り立つ半島を、修道院から修道院へ泊り歩く。ギリシャのウラノポリからアトス半島の港ダフニへ/ダフニからカリエ/スタヴロニキタ/イヴィロン修道院　Google Earthに投稿されている沢山の写真を見ながら、女人禁制の地、アトスの旅をイラストで綴ってみました。　イラストを、文庫「雨天炎天」がぴったり収まるように蛇腹製本し、ブックカバーとしました。

書籍装幀/金属　『日本国憲法』　（大橋ギイチ/グラフィックデザイナー）　「日本国憲法」と「非常ベル」が組み合わさったときに見えてくるもの。人それぞれ捉え方は異なると思いますが、いずれにしても、いま考察すべきコンテンツであることは確かだと思います。

波と遊ぶ/紙粘土、マニュキュア　『人魚姫+アンデルセン』　（小倉正巳/イラストレーター）　人間の王子に恋をした人魚姫。あまりにも有名なアンデルセンのお話です。石膏彫刻をイメージして制作しましたが人魚姫だけはやさしい色を使って少し雰囲気を変えてみました。

ダンテ『神曲』入門の為のbucca/木　『謎と暗号で読み解くダンテ神曲+村松真理子』　（忍足博子/アーティスト）　ダンテ・神曲はかなり前から読みたいと思っていた本デス。じっくり時間をかけて読んでみたい。まずは概要をと思い入門書を選びました。「神曲」入門をイメージした作品です。

ダンテ『神曲・地獄篇』の為のbucca/木、和紙、金属　『神曲・地獄篇+ダンテ』　（忍足博子/アーティスト）　神曲は　地獄篇・煉獄篇・天国篇と続きます。まずは一番興味を持った地獄篇から　イメージはフツフツと沸いて来ました。

パーンの箱/アルミ板、布、LED　『パーンの竜騎士+アンマキャフリー』　（唐澤亜紀/ブックデザイナー）　「パーンの竜騎士」シリーズは射手座宙域の惑星パーンに移住した人類とテクノロジーを失って中世的な生活に回帰した子孫たちを描いた壮大な叙事詩的SFです。今回は、移民初期の人々に思いを馳せながら原書用の箱を制作しました。彼らが乗ってきた宇宙船を解体して新生活に再利用したことに着想し、宇宙船の端材に見立てたアルミ板やLEDでテクノロジー時代を、布や毛布などの有機物で新生活を表現して、ゆるやかに融合させました。

琥珀色の夢/木、コルク、布　『スコットランド酔夢紀行+佐々木幹郎』　（北浦ひろこ/主婦）　森と水　そこから生まれる魂の水・・・　詩人の作者が語るウィスキーの魅力は香り・味をともなって　人生・夢の旅へ誘ってくれる、そんな本です。

復活～明日がある/紙　『ヒマラヤ聖者の生活探求+Baird T. Spalding』　（沓名輝政/折紙瞑想家）　就活、婚活、終活いろいろあるけれど、何といっても復活。細胞は日々入替り、一睡の間に意識は天に昇り肉体へ戻る。ヒトを含め万物は生まれ変わっている。不死鳥（和紙・不切正方一枚折）神谷哲史創作品のアレンジ。とがった山（クラフト紙・ホイル紙裏打）折り工程の途中を示す。

コブハウス～土とワラの天然住宅/木、土、ガラス　『TINY HOUSE Simple Shelter+Lloyd Kahn』　（沓名輝政/たのしあわせ体験家）　家？ YE～S！家巣。生きとし生けるものの家は本来鳥の巣のように体に見合っている。日本の土壁を厚くして、大地に還る材料で作るコブハウス。アフリカを起源にイギリスで広く利用され、アメリカで近年発展。自由、平和、ローンなしのみんなで作るホンモノ天然住宅。

Dialogue/木、アクリル　『夢の配達人+むかいちよ』　（五島三子男/美術家）　これぞブックカバー！ブックそのものをそっくりカバーしてしまうにはこれが好いだろう。好きな本は本箱にあるより日常空間の壁に掛けて鑑賞するのも一興。思い立って読んでみたくなった時には額から外せばよい。また表紙も本の魅力の一つだ。贔屓の絵を生かしたものや、優れたデザインに出会った時のわくわく感は忘れ難い。こうなるとコーヒーを飲みながら眺めて見たいというものである。しっかりと額装されているので傷まず、埃などから守ることも可能だ。

Vanishing scenery/木、アクリル　『ほねくだきうた+暮尾淳』　（五島三子男/美術家）　好きな本は本箱にあるより日常空間の壁に掛けて鑑賞するのも一興。思い立って読んでみたくなった時には額から外せばよい。また表紙も本の魅力の一つだ。贔屓の絵を生かしたものや、優れたデザインに出会った時のわくわく感は忘れ難い。こうなるとコーヒーを飲みながら眺めて見たいというものである。ブックカバーまでカバーしてしまって二重のカバーは必要ない。とのご指摘はありましょうが、これぞブックカバー！

読書の友/紙、プラスティック、チョコレート　『プロフェッショナルの条件+P・F,ドラッカー』　(佐々木宏喜/イラストレーター）　ビジネス書は集中力を持続して読み続ける必要がある為、脳へ適度な栄養補給が必要不可欠であるとの考えから、場所を選ばずいつでも糖分を摂取できる方法はないかと考案しました。カバーの脇に、マーブルチョコを1粒ずつ取り出せる加工を施してみました。これでいつでもどこでも周りの目を気にすること無く、さっと口に運ぶことが可能です。この「読書の友」を使えば、即エネルギーチャージ完了！！

夢の地図/紙　『夢の木坂分岐点+筒井康隆』　（村井佑己子/ウェブディレクター）　主人公が目覚めるたびに少しずつ違う名前、人生を生きながら「夢の木」を探す物語です。一つ一つの人生はパラレルユニバースのように「あったかもしれない別の可能性」を描き、それを象徴するかのように電車が4つの路線へ分岐する「夢の木坂駅」というメタファーが登場します。物語のなかから地理上のヒントを探し「もし全ての人生が同時多発的に存在していたら」という仮定で作りました。現在とともに過去の痕跡そして未来の可能性も同時に孕んでいる地図です。

溶ける魚/紙　『シュルレアリスム宣言+溶ける魚』　（AGASHI/free educator)　頭の中の超現実世界を自動筆記（オートマティズム）の手法で思い付くまま形にした。

たまて箱/紙　『和の抽象+佐藤久三郎』　（鈴木昇岳/水墨画家）　日本は古来より、神社・仏閣に朱を多く使って来た。又墨も中国より伝わり、日本文化芸術に多大なる影響を与えて来ている。そこで日本人独特のあいまいさが色々な所で抽象的な物を生み出している。日本の風土・自然、作者が生まれ育った場所・環境にコンセプトが出現、そして朱と墨の混沌とした小さな世界パンドラの箱が開けられる。

たまて箱/紙　『和の抽象+佐藤久三郎』　（鈴木昇岳/水墨画家）　※箱を開いたところ

騎士甲冑カバー/金属、皮　『騎士と甲冑+三浦権利』　（多田敬一/イラストレーター）　この本は30年前に出版されました。当時は西洋騎士の資料は少なくて貴重な本でした。作品は騎士の板金甲冑をイメージし鉄板を切り出し曲げて皮ベルトとリベットでヒンジを作っています。

武者甲冑カバー/布、ひも　『日本の武具甲冑辞典+笹間良彦』　（多田敬一/イラストレーター）　この本は武士の着た鎧を中心に編纂されています　作品は武士の鎧の大袖をイメージし黒板に赤おどしで鎧の構成そのままに作っています

心潤おう美しい時間（とき）/レース糸、布、ビーズ　『The Love of Lace+Cynthia Hart』（長南裕美/ハンドクラフトクリエーター）　美しい物可愛い物が大好きな私の趣味のひとつがレース編み。美しい物を作る事=至福の時なのであります。「レースを編む、心潤おう美しい時」この一文が20年以上前に買ったレース編みの本の裏表紙にありました。オリンパスの宣伝文句。カバーされた本はHow to本ではなく、見るだけのレースの本ですが、好きな本を好きなものたちでカバーする=心潤う美しい時間でした。

永遠に近い時の中で　埋もれるならせめて緑の下で/粘土　『星を継ぐもの+ジェイムズ・Ｐ・ホーガン』　（中路保美/ドールハウス作家）　月の裏側、絶壁の谷、岸壁の洞窟、洞窟の中の赤い宇宙服の死体、死体から生えるように緑の葉、外に出るにしたがって月の地表の色に、そして月面と同化、、、。

Penawaran dibuat di Jepang/古布、稲穂　『Flowers of Bali』　（林かくこ/自由業）　自分がその場所に居ると、妙に落ち着く場所　Bali　大好きなBaliには神々の島として知られています　そして神へのお供え物「Penawaran」（チャナン）が島中にあります　もし、自分がBaliで「チャナン」するとしたら、、、

わたしたちのまきたい種はどんぐりという幸せの種か、それとも涙雨なのか。/皮、樹脂　『木を植えた男+ジャン・ジオノ』　（舛沢正子/ブックデザイナー）　この物語はフィクションである。しかし編纂者が求めたものは実在の話だったため出版をしなかった。そのためジオノは著作権を放棄し、公開したそうだ。荒れはてた土地にくる日もくる日もどんぐりを植えつづけ緑の森をよみがえらせた農夫の話。どんぐりには幸せを、涙の中には戦いを表現しました。

ジョナサンの飛行帽/皮、金属、羽　『かもめのジョナサン完成版+リチャード・バック』　（舛沢正子/ブックデザイナー）　30年前に読んだこの本にはPart Fourが存在していた。それが加えられ、新たに完成版として出版された。この物語は不思議なもので読み手の状況で、心をよせる人物が変わってしまう。今の自分を知ってしまうのだ。ストイックに飛ぶことに魂をかけた彼にこの飛行帽のカバーを！

JAZZ/紙、金属、　『ジャズの歴史半世紀の内幕+油井正一』　（竹内徳子/アーティスト）　油井正一氏のjazzの歴史（文字）を私のjazz喫茶の歴史（マッチ）とjazz recordのドローイング（カラーコピー、主にMilesDavis）と音（bluetoothによるスピーカー、主にMilesDavis）によって　buccaする。　　　　　　　　　　.

Dictionary/段ボール、キャンバス　『Webster's Ninth New Collegiate Dictionary+Merriam-Webster Incorporated』（竹内徳子/アーティスト）　人類にとっての言語が持つ力を言語化不能なコトでbuccaする。

TATANDE TATANDE/布　『赤毛のアン+モンゴメリ』　（Ringorin/フローリスト）　フォルムが好きなりんごを（実=ハートの重なり　葉=∞永遠）をコンセプトにデザインした一本の手拭いの二ヶ所を縫いあずま袋を作製多目的な使用法の1つにブックカバー!!　※染色：桂屋染色株式会社

さまよえる湖/陶器、砂　『さまよえる湖+スヴェン・ヘディン』　（山口真理子/ブックデザイナー、協力山口廣海）　読むたびに発掘と発見の喜びを味わえるブックカバーです。砂に消えた楼閣を探し出すように、砂に消えた本を探して下さい。（砂はタクラマカン砂漠から、、、といいたいところですが本当はサハラ砂漠です）

忍者丸秘心得帳/布、紙　『忍者丸秘心得帳+吉林優』　（吉林優/グラフィックデザイナー・装幀家）　僕の中では昨年から忍者ブーム。（ラインスタンプ『忍者の里』も制作）そして昔の日本の本は巻物に書かれていたと思われる。その中にはどんな内容が書かれていたのか？この巻物の中にもいろいろと書い（描い）てあります。ゆっくり丁寧にご覧ください。

鉛とステンレスとひもの日本国憲法/鉛、紙、ひも　『戦後70年の今、再び問われる日本国憲法+架空』　（吉澤正/画家）　70年間守り続いた「憲法9条の戦争の放棄」が変わろうとしている。それで良いのか？世界の人々に「憲法9条」を理解するために有識者に取材する。各国の言葉に訳して関心を持ってもらう。このような本が出来ればと願っている。制作にあたって、鉛の鈍い反射とステンレスの鏡面のコントラスト。ひもは絞りつけるイメージ。各章に〇を同じ位置にしてカットを描いた。